センスのいらない経営 書評&まとめのようなもの
概要
Gunosyの創業から現在までの筆者の考えが示されているのとともにブロックチェーンや機械学習といったホットな話題について触れられています。文章自体は平易で読みやすいです。
また仕事をする上でもはや避けては通れないテクノロジーの活用についての一つの捉え方として非常に参考になりました。
いい大学やいい企業というのは人を序列化したゴールです。「自分はこうなりたい」という意思を持つことが大切です。確固たる意志がなければ目標は「みんなと同じ」になってしまいます。お金持ちになりたい、いい大学に入りたい。そうして序列化されていく。
とか
事業においても、人生においても、一足とびに進んでいくことはありません。(省略)少しずつ、少しずつ積み上がっていくものにしか意味はないのです。
とかのフレーズは個人的に心に残りました。
まとめ
読者に対するアドバイスとしてはざっくりこういう感じでした。以下は内容のメモです。
データ・統計主義
テクノロジーの理解
「Gunosy」の経営戦略について
- 素早い振り返り
- 共有
初期の市場選定について
- メディア
- 市場が大きい
- データが集めやすい
- 市場の立ち上がりが早い
- ソフトウェア
- マネタイズの速さ
- 供給の速さ
- リリースの速さ
市場が大きくデータが集まりやすいかつ、「速い」領域にポジションを取った。
機械学習について
「ある事象やタスクに対して大きな共通の法則が存在し、スケーラビリティが必要」な領域で有効に機能する。
また人間の学習に対して金銭的、時間的コストが大幅に削減できるかつ広範囲において応用可能な点において優れている。
第一世代
- ルールをもとに分類
- ルールから少しでも外れると判定ができない
第二世代
- 「特徴」を人間が指定し、分類
- 人間が考えうる範囲内でしか「特徴」を決めることができない
第三世代
- 膨大なデータから、機械が抽象化し得られた「特徴」によって分類
- 人間が考えうる範囲外で判断基準が作られることが多々ある
- 「ディープラーニング」と呼ばれるもの
第二世代は機械に対していかに適切な「特徴」を与えられたかが精度を左右するのに対し、第三世代からはいかに適切な「データセット」と「目的変数」を機械に与えられたかが精度を左右する。
不確実性の高い現代について
特徴
- ハードウェア社会からソフトウェア社会へ
「モノ」としてのニーズは満たされ、より高い付加価値が必要。 - 手数の多い人が活躍
やってみる精神。試行錯誤。
「やりたいこと」と社会の接地点
「好きなこと」と「商業的成功」の両立
ユーザーファーストについて
- ユーザーに迎合することではない
- 長期的かつ安定的なキャッシュフロー
ユーザーに確かな価値を届け続けられる基盤になる
使われるアプリの特徴
- 単機能であること
- その機能のために磨かれていること